【終わりました】Meet PP
- 朝倉奈々緒
- 2015年5月20日
- 読了時間: 3分
2015年5月11日、イギリスの新作ミュージカル創作を支援しているNPO団体Perfect Pitch(以下PP)のChrisGrady氏と日本の若手ミュージカルクリエイターのセッションを実施しました。
ロンドンミュージカルと言えば、1970年代後半から80年代にかけての「キャッツ」「オペラ座の怪人」「レミゼ」などキャメロン・マッキントッシュ、アンドリュー・ロイド・ウェバーによる黄金時代を経て、近年ではまたMatildaなど素晴らしい作品がうまれ、再び盛り上がっている印象を受けていました。しかしながらロンドンミュージカルにも「課題」があり、その課題に対して「長期的に解決する取り組み」が行われているということをご紹介頂きました。

PPは「ロンドン発の新作ミュージカルの創作」を支援する団体。支援内容は脚本・音楽クリエイターのアイデアのブラッシュアップから始まり [creative]、俳優を交えたワークショップの実施支援や幅広いネットワークを活用したプロフェッショナルのアドバイスなど作品を多角的に深める作業の支援[develope]、広報/マーケティング支援、そして最終的には、国際市場を対象としたライセンス販売支援・管理まで[produce and license]行っています。
PerfectPtichのそもそもの始まりは??
「キャッツ」などの成功で、ロンドンミュージカルでは新作に対する関心が薄れてしまったそうです。PPの創設以前は、ミュージカルライターのリサーチ機関は存在せず、クリエイターが個人の力のみで創作していたそう。この状況を改善すべく、イギリスのアーツカウンシルの助成を受け2006年に発足しました。この10年で60作品ほどに携わっているとのこと。
ちなみにアメリカでは、やはり新作ミュージカルの減少を問題視して、1985年にThe National Alliance for Musical Theatre(NAMT)が発足しています。NAMTでは毎年夏に公募の中から選出された8つの新作を上演するフェステイバルを実施。
作品は作って終わりじゃない。お客様に観て頂いて、感想を頂いて、あるいは他の団体に上演してもらってこそだと思うのです。ただし新作アイデアのネタ探しから、海外への営業プランまでをクリエイター個人、例え劇団であってもそれぞれの劇団がバラバラにやっていたのでは、効率的ではないですよね。先人達が培ってきた経験と知識を、偶発的にではなく計画的に継承していくためにPPは活動しているのだと理解しました。
日本でもオリジナルミュージカルの創作が増えていると個人的に感じていますが、横のつながりや、他国、他劇団から学ぶ機会、協力できるネットワークはまだまだ少ないように感じます。
「ミュージカル界に変化を」と同じ情熱を持つ人たちにとっての「パートナー」となれるよう今後もこのような機会を持ちたいと思います!
ChrisGrady
作品製作からフェステイバル運営まで、舞台業界で30年以上のキャリア持つ。北ロンドンの民間劇場PleasanceTheaterのジェネラル・マネージャーやキャメロン・マッキントッシュ・カンパニーのグローバル市場向けライセンス部門のトップを勤めた後、現在はTheatre Royal Bury St Edmundsのマーケティングとファンドレイジング部門を率いている。
パーフェクト・ピッチ HP Perfect Pitch website
クリス・グレイ氏 HP Chirs Gray website
通訳:市川洋二郎
コーディネーター:朝倉奈々緒(ステージパートナーズ)










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